第18章 こちら、アラシノ引越センター!
すうっと、武蔵さんの顔から笑みが消えた。
「藤島に近づかないでね」
「え…?」
「ちょっと今日、荒れると思うから。二宮くんにもそう言っておいて。なるべく二人が外に行ってる間には済まそうと思ってるけど」
「え…なに、を…?」
「ふふ」
武蔵さんは笑って誤魔化した。
「あ、わかりました……」
それ以上はなんだか怖い気がして、聞けなかった。
…昨日、忘年会でなんかあったのかな。
そういえば、武田さんに藤島さん達の名前上げたからか、最近おとなしい気がする。
そりゃ俺とか二宮くんの名前は漏れないようにするって言われたけど…もしかしてバレちゃったとか?
「ほんと、ごめんね?大野くん」
「気づかなくて、悪いことした」
「えっ…」
いきなり徳川さんと武蔵さんに謝られて、焦った。
「いや、俺はまだいい方で…他のバイトはもっと…」
「うん。でも君や二宮くんが言ってくれなかったら、まだ続いていただろうから…ほんと、ありがとう」
徳川さんは、ちゃきっとまた手を上げてくれた。
「感謝してるよ」
「いえ…そんな…」
あんな成り行きで自白させられたような感じだったから、いいことしたって全然思えないのに。
こんなに感謝されて、なんだか居心地が悪い。