第18章 こちら、アラシノ引越センター!
社員さんの前じゃ、仲良くやってるふうにじゃれついてくる感じだったし、わからなくてもしょうがないと、俺も思ってる。
大体、これが普通なんだと思ってたし…
「ふたりはさ…」
西川さんが、パリッと割り箸を割って、お通しを食べ始めた。
「まあちょっと、毛色が違うっていうかさ…まあ、前職は二人は事務系とか営業だっけ?」
「あ、はい…」
「だから、あいつらもちょっといじってやろうって気分だったんだろうけどなあ…」
割り箸を咥えて黙り込んでしまった。
「暴力はいけねえや…しかも新人に…」
その時、店員さんが個室のふすまを開けて、飲み物なんかを持ってきてくれた。
並べ終わると、西川さんがグラスを掲げた。
「酒じゃねーけど、乾杯」
俺と二宮くんもグラスを掲げたら、西川さんはちびちびと烏龍茶を飲み始めた。
「よく一ヶ月、我慢してくれたね…就職活動もしながらだったから、大変だったでしょ?」
「ああ…でも、年末はそんなに面接してくれる会社もないし、募集もそんなにないから…」
「あ、そういうもんなの?」
「ですね…2月面接ってとこが、年明けたら出てくる感じってハローワークの人が言ってました」
「へえ…俺、バイトからずっとここでしか働いたことないから、そういう話、新鮮だわ」