第18章 こちら、アラシノ引越センター!
注文したものが届く間、西川さんが俺たちに灰皿を差し出してくれた。
「あ、すんません」
「ありがとうございます」
「いいってことよ」
店員さんがまとめて持ってきてくれたおしぼりやら箸は、二宮くんが配ってくれた。
「俺さあ、このまえ未成年に間違われてさあ…」
もうアラフィフなのにさ…なんて、西川さんは笑い出した。
確かに、身長が俺より小さいし、童顔だ。
色も白いし髪型は自由の会社だから若々しいし。
下手したら、俺より年下に見えるかも。
「まあ、だから…若いもんに舐められてんのかもしんねーけど…」
なんて、真面目な顔をした。
「すまなかったね。武田から話し聞いてるよ」
「あ…はい…」
二宮くんはちらっと俺の顔を見た。
やっぱ、あの件だな。
「どう?あれから、暴力振るうやつ居た?」
「いいえ…あれからは、ないです」
そう言って、二宮くんの顔を見てみた。
二宮くんも頷いた。
「…ないです…お陰様で」
ほっとしたように息を吐き出した。
「ごめんね。現場のことは、俺が責任者だから、俺の監督不行き届きだわ…」
「そんな…」
二宮くんは否定した。
「だって…社員さんの前じゃ、誰も暴力振るわなかったから…」