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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第18章 こちら、アラシノ引越センター!


「そんなビビんないでよ…」

児島さんが苦笑いした。

「そりゃ、作業員なんてガイジみたいな人ばっかだけどさあ…」

…確かに…

頭にどこか障害でもあるんだろうかと思うほど、作業員の中には喧嘩っ早い人が居て…

男ばっかりの職場だからかもしれないが、みんな気が荒いというか。短気というか。

今まで俺が最も苦手としてきたような、男社会で。
そりゃそうだよね。ガテン系なんだもん。

「そんな…俺、ちょっと人見知りで…すいません、大島さん」

あ…二宮くん…
児島さんの名前、おもっきり間違えた。

「いや、児島だよ!」
「すいません!俺、人の名前覚えるの苦手で…」
「いや、次も頼むよ」
「へ?」

児島さんはふふふと笑って、ハンドルを持つ手を入れ替えた。

「…まあ、見てりゃわかるけどさ。二宮くんも大野くんも、人が苦手そうだよね」

バレてる。なぜだ。

「ぷっ…」

なぜか二宮くんが噴き出した。
不思議に思って顔を見たら、しまったって顔して目を逸らした。

その顔が、子供みたいで。

「ぷっ…」

今度はこっちが噴き出してしまった。

「す…すいません…」
「い、いえ…」
「なに~?ニノちゃん、なんで笑ったのさ?」

児島さんが信号で停止して、話に割り込んできた。

「えっ…いや、その…」
「なんだよお!俺にも教えてくれよお」

児島さんはうざ絡みしてくるのがたまにうざい。

「いや…俺も人の事は言えないんだけど…大野さん、人付き合い苦手オーラ全開なのに…児島さんに指摘されて、不思議そうな顔してるから…おかしくて…」

なぜだ。なぜバレている。

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