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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9





「あーっ!ちょっとまた、寝てるよ!この人は…」
「まあまあ…ニノちゃんが腰抜けるほど、頑張ったんだからさぁ…」

カレーのいい匂いが漂っている。
今は何時だ。
俺はどこにいるんだ。

「智って…万年寝太郎みたいだね…」
「え?万年…?」

戸惑う和也の声が聞こえる。
おまえ…もう元気になったのか…

やっぱ若いって凄い…

「翔、それ…三年じゃないの…?」

いつもズバリ言う潤にしては遠慮がちな聞き方で…

「えっ…ずっと万年だと思ってた…」

ぶーっと雅紀が盛大に吹き出すのが聴こえた。

「さあ…テーブルについて。もうカレー出来たよ?」
「はーい!」
「三年…」
「翔、かわいいなあ…」
「智!智起きてよ!夕飯できたよ?」

和也の怒鳴るような声が聴こえた。

…ふぁ!?夕飯!?

って、俺そんなに寝てたのか…

「もー!起きないよ!雅紀…」
「そういうときは、膝の上に乗ってやればいいの」
「え?」
「智、膝に乗られるとくすぐったくてすぐ逃げるから」
「へぇ~」

どすっと俺の上になんか乗っかってきた。

「ふにゃっ…」
「さ…とし…?」

俺の上にいるのは、翔だった。

「あれ…翔?」
「さ、智…起きて?」
「あ、ああ…」
「えへ…」

照れくさそうに…でも、嬉しそうに。
翔は微笑んだ。


いーなぁ…
幸せな笑顔だ。


翔の後ろには、にこにこしてる和也と雅紀。
ソファの横には、余裕の笑みを浮かべてる潤が立ってる。



「さ、夕飯食べよ?」

潤も俺に向かって笑いかけてきた。

「…へーい」

翔が俺の上から降りて、潤と二人で俺のこと起こしてくれる。

「何カレー?」
「マトンカレー」
「は?マトン?」



しあわせの、風景





【END】
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