第16章 BOY【O side】EP.9

「あ、そっかあ…」
「バーカ…気ぃ遣い過ぎなんだよ…おまえは」
「え？そう？」
「そうだよ…バカ」
「なんだよ…バカバカいうなよバカ」
「バーカ…」

あんまりかわいいから、ぎゅうっと抱きしめてやった。

「…俺で…いいの…？」
「ん？」
「恋人…」
「和也じゃないとだめ」
「…え？」

…きょとんとしてるその顔が、また可愛い…

愛おしいなあって思う。

「和也は？俺でいいの？」
「え…そんなの…いいに決まってる」
「なんで？」
「なんでって…好きだから」
「俺も、おまえのこと好きだよ」

こんなこともわかんねーのか？
こいつは頭がいいのに、時々考えすぎてイカン。

単純でいいんだ。単純で。

「…智…」
「雅紀も…潤も…翔も…みんな…」
「うん…」

みんな、愛してる。
だから、みんな恋人でみんな家族で。

「全員、俺のものなんだからな」

ぶっ…って和也は吹き出した。

「くくく…ズルい…みんなも俺のだからね？」
「おー…上等だ。俺のほうが愛してるからな？」
「俺のほうが愛してるもんっ」

ぎゅうぎゅうふたりで、ベッドの上で押し合いになった。

「俺のほうが愛してるもんっ…」
「俺の愛は無限大だぞ！？」
「どこの関西のグループだよっ！？」

そのうち、和也がぐったりして。

「もおっ…大人げないっ智！」
「へーい、すんませーん…」

ふざけたら、一発殴られた。