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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9


「お…おはよ…」

動転しているのか、翔の一言目には笑った。
雅紀は翔の頬をスリスリしながら、笑いが止まらなくなった。

「ぶーーーっ…くっくっくっ…」
「おはよ、翔ちゃん。昨日は潤くんにかわいがってもらった?」
「う、うん…」
「そっかあ…じゃあ、これから俺がかわいがってもいい?」
「えっ…」
「だめ…?」
「で、でも…お風呂…」
「そんなのいいよ…ね?智、雅紀」

こんな話をしているのに、潤は一向に起きてこない。
こいつは寝起きが悪いんだ。

「そうだなぁ…」
「や、やだっ…俺がやだっ」
「えー?そうなの?」
「それにもうなんも出ないよっ」
「嘘でしょ?さすがに。一番若いんだし」
「ええっ!?だって…」
「さあ、じゃあお風呂ね。みんなで入れてあげよっか!」

和也が腕まくりしそうな勢いで張り切りだした。

「ちょお…和也…」
「なによ。俺、昨日なんもしてないから溜まってんの」
「いや…でも…朝っぱらから…」
「朝だろうが、関係ないっ!せっかく今日は翔ちゃんが居るんだから!」

そう言って、翔の腕を引っ張ってそのまま風呂場に連れて行ったようだ。

「…若いな…」
「うん…若いねえ…」

雅紀と俺は、しあわせそうな潤の寝顔を見ながら、途方に暮れた。

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