第16章 BOY【O side】EP.9
「智…?」
「ほらぁ…ちゃんと居るじゃん…」
いつの間にか、後ろに雅紀と和也が立ってた。
「あれ…起きたの?」
「…起きたら智、居ないんだもん…」
「ニノちゃんが、びっくりして起こすから俺も起きちゃった…」
「あ?なんで?俺、どこにも行かないぞ?」
「だって…」
「昨日あんな話しちゃったから、心配になっちゃったの?」
雅紀が寝ぼけながら核心を突くもんだから…
「うっさい!」
和也、ブチギレて雅紀の脛を蹴り上げて、小部屋に入っていってしまった。
「痛いっ…」
「あ…和也、今日は翔が…」
止めようと思ったが、いつもの習慣で小部屋に入っていってしまった和也は、すぐに飛び出してきた。
真っ赤な顔をしている。
「…ほら、だから言ったろ…?」
「わ…忘れてた…翔ちゃん来てたんだった…」
「…どんなだった…?」
「…すごかった…」
「ほう…」
そろっと3人で、小部屋のドアを開いて中を見た。
ベッドの上はなにやら乱れていて…
「昨夜は激しかったみたいですなあ…」
「あら、奥さんはしたないですわ」
「…寝乱れの姿を、映像に収めたいなあ…」
「智ったら変態だよね」
「変態じゃなきゃ、監督なんてできん」
「威張ってんじゃねえよ…」