第16章 BOY【O side】EP.9
もともと、あいつの持ち物だった土地で…
俺に譲渡する時、あっちの本国から派遣されてる土地調査の真っ最中だった。
くれるんなら日本の土地にしてくれっつったのに…
何故か頑固にドバイの土地を譲るって聞かなかったんだよな…あいつ…
で、俺に土地の譲渡が完了した頃に、結果が出て…
なんとかなりの量の原油が埋まってることがわかった。
あいつ…多分、わかってたんだろうな。
だからあんな必死になってドバイの土地、俺に残そうとしたんだ。
今は、あっちの国に土地を貸して、原油掘らせてる。
そのための会社も設立して、あいつがその会社の面倒見てる。
俺が関与してるのは、俺の土地から原油を掘って他の会社に売りつけるまでの会社だ。その会社のオーナーとして、その会社の利益を配分してもらってるって形になってる。
他の会社云々については、あっちの裁量に任せてるし、それ以上は望まないから、いいって言ってある。
日本で、こうやって生きて…夢、叶える分があればいい。
俺の代理人は国際弁護士に任せてあるから、もうあいつと直接会うことは…もう一生ないけれども…
すごく、感謝してる。
こうやって日本で生きられること…
こうやって、こいつらに出会えたこと…
みんな、あいつのお陰だから