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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9


もふっと、誰か俺の頭を撫でた。
それを合図に、どこそこから手が伸びてきて俺の体を撫でくりまわしてる。

「んにゅぅぅ…」

まだ俺は眠いんだよお…
起こすなよお…

「…オーストラリアの牧場で出会ったんだって」
「なにそのドラマみたいなの…」
「あっちは、なんていうの…社会勉強で。よくあるでしょう?一般の人と一緒に働くの」
「ああ…そう、なんだ?よくわかんないけど…じゃあ智はなんでオーストラリアに居たの?」
「…なんか、俺と同居を解除して…面白くなくなったみたくて…デリのお客さんに聞いてて興味あったから、海外にとりあえず出ようって思って、とりあえずカンガルーに会いたいからって行ったらしいよ…」
「…とりあえず、カンガルー…」
「そしたらさ…持ってきた旅費がもうそこで尽きて…しょうがないから働いてたんだって。競走馬のお世話してたみたいだよ。だから、牧場に働きに来てた王子と出会ったみたい」
「…え、待って…智って英語できるの?」

沈黙。
多分、雅紀が首を横に振ったに違いない。

「…どうやって、交流してたの…?」
「さあ…片言の単語と、ボディランゲージってやつじゃない…?」
「不思議…」

ちげーって…あっちが日本語できたんだって。
でも俺が向こうで働けてたことが奇跡か…

でも、馬相手なら英語いらないじゃん…

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