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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9


潤が正気に戻った後…
9月に和也の学校が始まって、潤はまた不安定になってしまった。
多分、普通の世界に戻っていく和也を見ていられなかったんだろうと思う。

体の傷は治ってたが、心の傷はそう容易く癒えるものじゃない。

だから…潤を半年ほど西島に預けたんだ。

傷に障るものは、見ないほうがいいってこともある。

西島は、ヤクザのくせに美少年好きのゲイだから、絶対潤に悪さしないと思ったし…それに、あいつ実は医師免許を持っていた。

しかも、専門は精神科だったとかで…

いや、もちろんヤクザになっちゃったから、上の先生には破門されてて。
医師なんかに戻れるわけはなかったけど。

…それに西島は…潤が気に入ったようだった。

「100万も手数料負けるなんて…どんなヤクザだよ…」

潤を助け出すために300万払った。
…200万は借金の返済に充てた(それも随分値切ったらしい)って言うから、実質後から払った100万…
たったそれっぽっちで、あんな仕事引き受けるなんて…西島くらいの格のヤクザじゃありえないことだった。

「え?だから、なんか言った?」

キッチンに行こうとしていた和也が振り返った。

「なーんでもねえよお~…」

ひらひらと手を振ったら、むっとした顔をした。

「カズ、かにぱん買ってきたよ」

潤が小部屋から出てきて、アイランドキッチンの上に置いてある買い物袋を覗き込んでるのを見たら、すぐににっこり笑って走っていった。

可愛い奴め…

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