第16章 BOY【O side】EP.9

和也の…言ってたことが、当たってた。
潤は、許せなかったんだ。
男で感じてしまう自分が…男にしか感じなくなってしまった自分が…

もう、普通に戻れない自分が。

「ばかやろう…」

和也は潤を抱きしめながら、泣いた。
潤も和也の胸で、思い切り声を上げて泣いた。

俺と雅紀は、ただそれを見てた。

しばらくすると雅紀が後ろから、和也の肩を抱いた。

「…もう大丈夫…ね？ニノちゃん…」
「ん……」

俺も、潤の肩を抱いた。

「もう、大丈夫だな？潤…」
「うん…」

そのままぎゅうって、潤のこと抱きしめてやった。
雅紀も和也のこと、ぎゅううって抱きしめてる。

「もう死ぬなんて言うなよ？」
「…うん…」

潤は顔をあげなかったけど…
でも、ちょっとスッキリしたみたいだった。
ちゃんと息してる。

「…ずっと…」
「ん？」
「ずっと、そばに居てくれて…ありがとう…」

ちょっと、涙腺来た。

「…覚えてたんだ…」
「うん…俺が、ひとりにならないように…目が覚めたら誰か、絶対にそばに居てくれた…」

やっと潤は顔を上げて…
和也と雅紀を見た。

「本当に…ありがとう…」

またちょっとだけ、潤は泣いた。





今度は、ちゃんと…泣いた