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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9


小さな子供が、迷子になったみたいな顔してた。

「ちっと…落ち着け…な?」

少し荒くなってた呼吸が整うまで、背中を撫で続けた。

「ここは…二宮の家…?」
「まあ、今はそうだけど…実家じゃないよ」
「え…?」

ここを和也の家だと思ってたのか…
じゃあ俺たちはさしずめ兄弟か?
まあ、穴兄弟ではあるが…←

「ここは、俺と雅紀の家。和也はここに同居してる。だから今は、ここが和也の家だ」
「…待って…」

混乱している。
まあ、無理もないか…俺だって気がついて知らん家に居たら、たまげるもんな。
昔、酔っ払って知らん人の家に寝てた時は、まじでパラレルワールドに来てしまったかと思ったし。

「俺と雅紀と…和也は、恋人だよ」
「……」

びっくりしてるのか、わかってたのか。
潤は目を見開いて、そのまま固まってしまった。

この一ヶ月、意識が朦朧としてたとはいえ、正気に戻った瞬間だってあったから、パズルみたいにその記憶を組立てているのかもしれない。

「今は、もう和也には返す借金はないから、普通に暮らしてるよ」
「…そう、なんだ…」

顔が青い。
いっぺんに戻ってきた現実に、どうやらついていけてないようだ。

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