• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9


夢でも見て魘されているのか。
額に浮かんでいる汗を手で拭いてやると、不意に目を開けた。

「…潤…?」

目を開けた潤は、わなわなと震え始めた。

「あ…あいつ…」
「アイツ…?」
「あいつ…どこ…?」
「アイツって誰だ…?」

がばっと突然潤が起き上がった。

「探さないと…探さないと…」
「潤?」
「どこいった…どこ…」

キョロキョロとあたりを見回して、それから愕然とした。

「…ここ、どこ…?」
「え…?」

理解できないって顔して、それから自分の両手を見た。

「あーーーーーっ…」

一瞬、また暴れだすかと思って身構えたけど、潤は叫んだらソファの上で丸まった。

「…どしたぁ…潤…」

俺の腹んとこで丸まってるから、背中を撫でてやった。
ずっと撫でてたら、少し落ち着いたみたくて、潤は顔を上げて俺の顔をまじまじと見た。

「二宮は…?」
「ん…今、ガッコ行ってるよ?」
「学校…?高校?」
「そうだよ。今、夏休みだけどな。2学期から復学するんだ。そのための面談に行ってる」
「え…?辞めたんじゃないの…?」

正気…戻ってきてんのか…?
なんだか、今までと違う。

「…最初から辞めてない。休学してたんだ。親の借金の目処がついたから、復学するんだよ。和也は」
「……今、何月…?」
「8月」
「夏…夏だ…」
「…夏だけど…どした?潤…」

髪に触れたら、びくりとした。

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp