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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9


その日、潤は目を覚まさなかった。
次の日の昼を過ぎても起きなかった。
飯を食ったり、トイレに行くこともなかった。

目が覚めた潤は、まだ夢の中にいるような目をしてた。

「松本くん。はじめまして。俺は雅紀っていうの。こっちは智。今、ニノちゃんと一緒に暮らしてるんだ」
「……?」

何言ってるの?って顔で俺達を見てる。
それから、逆サイドにいる和也の顔を見つめた。

「二宮…トイレ貸して?」
「うん…」

3人がかりでなんとか潤をベッドから下ろして、雅紀が一番力があるから、松本の体を支えながらトイレまで連れて行った。

中に入れると、雅紀は飯の用意をすると言ってリビングに入っていった。

「…和也…ありゃあ、手強いぞ…?」

なんとなく、潤はこの状況を理解していないと思った。
シャブは打たれてないってことだったけど、頭イッちゃってる可能性がある。

「先に、病院連れて行ったほうがいいかも…」
「…ちょっと、話してみるから…」
「一人で話す?」
「うん…まずは、俺が話してみる。だめだったら…頼ってもいい?」
「当たり前だろ」

不安げに立ってる和也を抱き寄せた。

「俺を誰だと思ってんだ?」
「…俺の彼氏…」
「よし。いい子」

ちゅっとキスした瞬間に、トイレのドアが開いた。

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