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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第16章 BOY【O side】EP.9


「そうだったみたいだよ…松本くん、いつも白石の言うこと聞いてたんだって…」
「それ…恋人じゃないじゃないかっ…ただの奴隷だろ!?」
「ニノちゃん…」

泣き出しそうになってる和也の頭を、そっと片手で引き寄せた。
胸板に和也の頭をつけると、しばらくそのまま落ち着かせてる。

「…運の悪いことに、借金してたのがそのヤクザだったから…」
「うん…」
「俺の昔の恋人の知り合いだったんだって。昔なじみで…だから、別の用事もあって、早く見つけられたんだよ」
「…あの人…?松本を連れてきてくれた…」
「そうだよ」
「……雅紀ってメンクイなんだね」

和也が呟いた言葉に、紅茶を吹き出しそうになった。

「あわわ…」
「ああ…智ったら…」

慌ててティッシュで口元を拭いていたら、雅紀が苦笑いしてて気まずい。

「…でも、なんかわかる。あの人、カッコいいもん…」
「でしょ?背も高いしね」

…どーせちんちくりんですよ…

「…でも、雅紀を幸せにできない…」
「…ニノちゃん…」
「それは、わかるよ」

そう言って、俺に目を向けた。

「智じゃないと、だめなんでしょ…?」

そう言うと、また雅紀を見上げた。
雅紀はいたずらっぽく笑うと、ちゅっと和也にキスした。

「ニノちゃんもだよ」

そう言って笑う雅紀…

和也の…今、欲しい言葉を…ちゃんと、言える。
雅紀は凄いやつなんだ。

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