第15章 BOY【M side】EP.8
性病検査は毎回受けてるから、今回の撮影はコンドームも使わないものだった。
ゆっくりと痛む体を動かして、そいつにケツを向けた。
もう…恥ずかしいとも思わなくなった
ゴム手袋をした指にケツの穴から白い液体を掻き出されて。
もうハメられ過ぎて、感覚がなくなってるからなんにも感じなかった。
乱暴に水を掛けられて、ケツが冷たくなる。
「はい、これで終わりました。事務所帰ってからまた洗っておいてくださいね」
そう言うと、俺から遠ざかっていく足音がする。
あれは…いつ書いたものだったかな…
中学の3年間は野球部だった
でも3年の夏の大会直前に肘を壊して…
最後の大会に出ることは叶わなかった
部活を引退して、進路を決める段階まで俺は荒れてて…
ろくに勉強もしてなかったから、行ける高校は限られてて
でも、父さんが言ってくれたんだ
野球ができなくても、野球をする人を助ける仕事だってあるんだよって
そう…あれを書いたのは、中学3年の…
「ジュン、行くぞ」
パイプ椅子に素っ裸のままだらしなく座っている俺に、バスローブが掛けられた。
「また動けねえのかよ?」
確か、冬休みだった