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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第15章 BOY【M side】EP.8




「ねえ…キミ…?」

暗い路上で、男が声をかけてくる。
振り向くとぎょっとした顔をされた。

「どうしたの、その顔…?」
「うん…なんでもない。ねえ、遊ばない?」
「い、いや…いいよ…お大事にね…」

新宿二丁目の奥にある公園。
有名なハッテン場だったところ。
その近くの路上で、客を探すのが俺の日課だ。
今は夜間は公園の中、立入禁止だからね。

フリーで売り専やってる。
本当は店に入ったほうが楽なんだけど、路上で客引きしてる。

たまにこんなツラで客引きしなきゃいけないし…
暗がりのほうが、なにかと便利だった。
早いと、その辺の物陰で済ましてくれるのもいるから。

前はそれでも一応、バーで売り専ボーイやってて…
でも店にピンハネされてたから、あいつが嫌がって、早々に辞めさせられた。

今日は気絶するほど殴られて…
右目がオバケみたいに腫れ上がってる。

それでもそういうのが好きな奴もいるから、客とってこいだってさ…

…シャブ買う金が、もう底尽きたんだ…

だからあんなにイライラしてんだ…
先月あんなに金稼いでやったのに…もう使い切っちゃったんだ…

それでも…あんな男でも…
俺にはお似合いだ。

だって俺は…

「ねえ…遊ばない?1万でいいよ」

1万円の価値しかないから。

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