第15章 BOY【M side】EP.8
こんな顔で嗤うとき、いつも酷く殴られる。
「潤…わかってんだろ…?」
「…なにが…?」
殴られる恐怖で、勝手に体が震えてくる。
わかってるのに…
そんな俺を見て、男はますます興奮するんだ。
「俺はぁ…おまえが居ないと、だめなんだよぉ…」
甘えた声で言うと、俺の頬をべろりと舐めた。
「…わ…わかってる…」
「おまえも…俺が居ないとだめなんだろぉ…?」
ぐっと、肩を掴んでいる手に力が入った。
男の左腕には、何箇所も注射の跡がある。
「また帰ってきたらセックスしてやるからよぉ…俺じゃないと、もう駄目な体になってんだろぉ…?客なんかの粗チンじゃ満足できねえだろ…?」
「そ、そうだね…シャブなんかなくても…」
男の俺を見る目が更に凶暴性を増す。
しまった…
言い切る前に、キレてしまった
男の右手が振り上げられた。
思わず目をぎゅっと閉じると、頭にすごい衝撃が来た。
「今、シャブの話なんかしてねえだろお!?」
シャブなんかやんなくても、あんたのセックス気持ちいいって言ってやろうと思ったのに…
「これ以上余計なこと言ったら、あの薬だって手に入れてやんねーからな!?」
何度も何度も、サンドバッグみたいに殴られて。
目の前に火花がいくつも散る。
真っ白になって、体に痛みを感じなくなってくる。
だんだん怒鳴り声も遠くなっていく
人の話…聞けよな…
って、シャブ中に言っても無駄か…