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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第14章 BOY【A side】EP.7


「金って…」
「ふふ…持ってるもの、生かさなきゃね…智?」
「そうだぞ。俺たち持ってるから。だから気にすんな」

俺たちをあんな境遇から救い出したのは、金。

智が忘れられない人から受け取った、金。

そして俺たちが得た金を、またあのときの俺たちを救うように使うのが、俺達の金の使い方。

「ずっとそうしてきたんだぜ?俺たち…」
「智…」
「だから、松本くんだってそうする。それだけだよ?ニノちゃん…」
「雅紀…」

みるみるニノちゃんの黒目がちな目に、涙が溜まってくる。

「ごめぇん…ありがとう…ありがとう…雅紀ぃ…」
「いいって…もう…」
「ごめんね…智…」
「何、謝ってんだよ…」

ぎゅっとニノちゃんが俺たちに抱きついてきた。

小さな手…
同じ男なのに、愛おしく感じる。

今だけ…忘れよ…?ニノちゃん…

ぎゅっと抱きしめ返すと、智の腕も俺たちを抱きしめた。
だんごみたいになって、俺たち3人はぎゅうぎゅう抱きしめあった。

そして、いつの間にかニノちゃんと智のキスが始まってて。
キスしながら、ニノちゃんがちらりと俺に流し目を寄越した。

「…ふふ…」

わかってる。
さっきのつづき、やろうね。




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