第14章 BOY【A side】EP.7
「ねえ…雅紀…」
「ん…?」
全部終わって、3人でラグの敷いてある床でへたり込んでる。
素っ裸で、ぐちゃぐちゃになるまでしちゃったよ…
外はもう暗くなってる。
こんなの久しぶりで。
なんか、爽快。
「わざと…でしょ…」
智はひさしぶりに下になったから、疲れ切って眠ってる。
そんな智の髪の毛を撫でながら、ニノちゃんが俺を見上げた。
いたずらっこみたいな笑みが浮かんでる。
「なにが…?」
その顔を見て、少しホッとした。
「わざと智を煽って、俺のこと部屋から出したでしょ…」
「なに…?ニノちゃんいつの間にアマテラスになったの?」
「ぶっ…」
くっくっくと顔を伏せて笑ってる。
「…笑ってんじゃないよ…もお…」
ぐしゃっとニノちゃんの頭を撫でたら、涙目で顔を上げた。
「ありがと…雅紀…」
「ふふ…」
「俺…なんでもする…だから…」
「あ。言ったな?」
「へ?」
「ちゃんと高校卒業すること。後輩と同じクラスだからってブーブー言わないこと」
「え…ええええ…?」
「わかった?」
「…うん…」
しおらしく頷いた。
「いい子。さ、お風呂入ろ?」
「うん」
立ち上がって、手を差し出した。
それを見て、きゅっとニノちゃんは手を握ってくれた。
「松本くんは、きっちり助けるから。約束する」
「……うん」
薄っすらと涙を浮かべた目は、まっすぐに俺を見上げた。
「よろしく…お願いします」
それから数日後
事態は大きく動き出した
【窮鼠、愛を噛む④へつづく】