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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第14章 BOY【A side】EP.7


「智が居なかったら、今の俺いないもん」
「雅紀…」

髪を撫でていた手を掴まれた。

「そんなこと…言ってくれるの、雅紀だけだ…」
「…ばかだなあ…ニノちゃんだって、そう思ってるよ…」

それに…今まで、智が掬い上げてきた男の子たち…
みんな、幸せに巣立っていった。

「きっと、みんな感謝してる。智がいなかったら、みんなどうなってたか…」
「でも…」

見上げてきた智の顔は、ちょっと泣いてるみたいな…
切ない顔してる。

「…助けらんなかった奴らだっている」
「全員なんて無理だよ…そんなの…」

俺達みたいにならないように…
今、俺達は幸い…堕ちていきそうな奴らを救えるだけのことができる
だから…間違わないように

ちゃんと人として生きていけるように
虫ケラみたいに使い捨てにされない日常になるように

「だから…松本くん、助けてあげよ?」
「うん…」
「あのね、今日藤ヶ谷くんとこ行ってきたの」
「えっ!まじで?」
「うん…松本くんのこと、お願いしてきたよ。あの人に…」
「雅紀…」
「いいんだって。もう一生、完全に縁を切ることなんてできないしさ…俺も半分、足突っ込んでたようなものだから」

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