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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第14章 BOY【A side】EP.7


中学2年になった春。
養子に出た智が、施設に遊びに来た。
俺だったら、もう二度とこんな場所には来たくないのに、智は養子に行ってから、頭のネジがどっか行ったんだ。

最初はそう思ってた。

でも顔を見たら、智はげっそり痩せてて。
ぎょろぎょろした目で俺のところに来た。
施設の庭に連れ出されて、誰も周りに居ないのを確認して、智は俺に衝撃的なことを言った。

男同士のセックスのやり方教えろ、と。

智はノーマルだと思ってたから、びっくりした。
いや、かと言って女の職員が物陰に呼ぶと尻尾振ってかぶりついてた連中とも違ったけど…

よく話を聞いてみると、養親の元を放り出されたって。
高校を3日で辞めてしまって、激怒されて養子縁組も解かれて、元の名字に戻ったって。

だから、体を男に売って生活するんだって、智は言った。

その顔は、なんの暗さもなくって。
(お腹空いて荒んではいたみたいだけど)

女のあんなとこ舐めて金貰うくらいなら、男のほうがいい。
そう言ったんだよね。

ああ。なんだ。俺もそうすればいいんだ。

って、その時ストンとそう思ったんだ。
自分の体を売って金を稼げれば、こんな地獄みたいな生活から抜け出せるんだって。

そう…智が気づかせてくれたんだ。

その時は、知ってる限りの知識を教えた。
智はちょっと顔が青くなってたけど、決意は変わらないみたいだった。

こんな地獄に戻ってくるくらいなら、そんなことはどうってことないって感じ。

すげえな、コイツ。
単純にそう思った。

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