第13章 BOY【N side】EP.6
「ニノちゃん…」
「和也ぃ…」
ベランダの柵に凭れて生ぬるい夜風に当たって、ぼーっとしてたら、雅紀と智がベランダにいつの間にか居た。
寝室のドアは鍵かけてたから、リビングから入ってきたらしい。
「ごめん。和也にわかんない話しして」
「ごめんね?ニノちゃん…でも…」
「もういいよ。どーせ俺が未成年だとか、ガキだとか言って話すつもりないんでしょ?」
「それは…」
雅紀が気まずそうな顔をした。
やっぱ、そうなんじゃん。
「そんなガキとセックスしといてよく言うよ」
思い切り冷たい言い方をして、背中を向けた。
「…ぐうの音もでねえ…」
「その通りだよ。ごめんね?ニノちゃん」
「もういいし。別に…」
二人の顔、見れなかった。
どうしたって、二人の過ごした過去になんて行けるわけがないし、勝てるわけがない。
そこに二人が、俺のこと入れないって決めたんなら、一生掛かったって入っていけるわけないんだから。
「…違うんだよ?ニノちゃん…」
「雅紀、俺が…」
「ううん。智はいいから…」
背中に、温かい手が乗っかった。
「ごめんね…まだ、ニノちゃんには早いかなって思ってたけど…そうだよね。ニノちゃんは子供じゃなくって、俺達の恋人なんだからね…」
トントンとその手が背中を叩いた。