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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第13章 BOY【N side】EP.6


「うっせー!にんにくくさいからくるな!」

ドアに向かって叫ぶと、布団をまくって潜り込んだ。

「ニノちゃんだって餃子食べたから臭いでしょお!?」
「あっ雅紀、口臭い…」
「智も臭いからな!?」

ドアの外でコントやってるのが、薄っすらと聞こえてくる。

「…もう知らん…」

目を閉じると、自分の口がにんにく臭いのがよくわかった。
ばふっと布団をまくりあげて、外に出た。

ベランダに出る窓まで行って、勢いよくカーテンを開けた。
外はもう真っ暗。
だけど、夜の街のネオンがきらきらとあたりを照らしてる。

鍵を開けて、ベランダに出た。
バーベキューができそうなほど広いベランダは、人工芝が敷き詰めてある。
サンダルを引っ掛けて、人工芝を踏みしめて歩いた。

「ばーか…ばーか…どいつもこいつも、ばーか…」

ふと、松本の顔が浮かんだ。

あいつもバカだ。
自分がゲイだって気づいてない…自分は普通なんですって顔してさ。


本当は俺のこと、好きだったくせに


2年の2学期から復帰となると…あいつが先輩になるのか…

「ゲー…」

なんだよ
素直に認めればいいのに
そしたら楽になれるのに


…じゃあ…俺は…?


俺は、認めてるの…?
自分がゲイだって

「ばーか…」



そんなのもう…わかんねーよ…
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