第13章 BOY【N side】EP.6
「じゃあ、二学期からな?」
「ふぇ?」
もぐもぐぎょうざを食ってたら、智がいきなり言い出した。
雅紀もダイニングテーブルの隣の席で、スムージーを飲みながらうんうん頷いてる。
「まあ、まだ日があるけどな…教科書、和也の家から引き上げてきたから、バイトはいいから復習しとけよ?二年からまた始めるんだからな?」
「ええー…後輩とクラスメイトなの…?」
なんか恥ずかしいからヤなんですけど。
ぶすくれてたら、雅紀が真面目な顔をしてこっちを見た。
「贅沢言わないの。高校はぜーったい出てもらうからね。じゃないとアテナじゃ雇わないよ?」
「ええー…高認とかいうのじゃだめなの?」
「せっかく高校に籍が残ってるんだから、ダメ」
なかなか、雅紀は手厳しい。
「そうだぞお…和也。世の中には、ガッコ行きたくても行けない奴がいるんだから、贅沢言うなよ?」
「…3日で退学したくせに」
ぼそっと雅紀が呟いた。
智はバツが悪そうな顔をして、餃子を口に放り込んだ。
「え…?智、高校3日で退学したの…?」
「もぐ…んぐ…若気の至りだ。いや、あれは町田が悪い」
「は?町田くんのせいにする気?」
雅紀がちょっとキツイ口調で、知らない人の名前を出した。
「町田って誰?」
「ダチ」
「ほらあ…友達のせいにしないの!辞めたのは、智が決めたことなんだから」