第2章 今日の猫来井さん③
顔を冷たいものが滑っていきます。
なんだろうと目を開けると、猫本さんが微笑みながら私の顔を濡れタオルで拭っているところでありました。
ここは…猫宮さんの寝室…
「ふにゃ…?」
なぜ猫本さんが…?
「っ…うにゃあっ…!」
慌てて飛び起きました。
そうでした!
わたくし、仕事中にっ…
「ぷぷっ…猫来井さん…大丈夫…?」
「にゃにゃ…?」
猫本さんが私の首筋を濡れタオルで拭っていきます。
「はにゃっ!?裸にゃっ!」
なんと私、素っ裸でございました!!
猫本さんはしっかりとお洋服を着ているのに!
なにか隠すものがないかと周りを見ると、私の隣には気持ちよさそうな顔をしながら素っ裸で眠る、猫宮さんがおりました。
くーくーと寝息を立てて、子供のようなあどけない顔をしながら眠っています。
「もお…あんまり大きな声を出すと、和が起きるから…」
「あっ…しゅ、しゅみましぇん…」
「もう大丈夫?またたび抜けた?」
「は…はぁ…多分…」
猫本さんは手際よく私の身体を拭いてしまうと、私の洋服を手渡してくれました。
「はい。自分で着られる?」
「は、はいっ…もちろんでございますっ…」
慌てて洋服を着込むと、猫本さんはふふっと微笑みます。
「午後から、お仕事できそう?」
「…はい…」