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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第12章 BOY【M side】EP.5



なんなんだよ…
なにしてんだよ、俺…

二宮に会えば、なにか変わるとでも思ってたのか?
二宮に会えば、苦しいのが終わるとでも思ってたのか?


その後も、相変わらずなんにもやる気もしないで。
ただただ、時間が過ぎていくだけだった。

夏にしたバイト代は、親に作ってもらった俺の口座から引き出されることもなく。遊ぶ気にもなれなかった。

夏が終わって、秋が来て。

衣替えがあって、久しぶりにブレザーに袖を通したある日…

「潤?」

放課後、校門を出ると後ろから声を掛けられた。
振り返ると、あの日の男が立ってた。

「やっぱり…ねえ、俺のこと覚えてる…?」

男はにやつきながら、俺に近づいてきた。

「俺、お前のこと忘れらんなくてさ…探したよ」

一瞬、頭が真っ白になって。
恐怖…?
よくわからない。
足が固まったように動かなくて。
男は俺の腕を掴んだ。

ぞわり、鳥肌が立った。

あの日の、アレ
自分の中に入ってくる感覚を
鮮明に思い出した

「…なんとか言えよ?」

ぐっと腕を掴んでる手に力を入れられた。
ひどく強い力で、痛かったけど声も出せなかった。

「は…離せ…」

やっと出た声は震えてた。

「あ?なに、そんなこと言っていいの?」

にたり
また男は笑った。

「ここで大声で叫んだっていいんだぜ…?お前が男に…俺にヤラれたってな」

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