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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第12章 BOY【M side】EP.5


「え…ちょっと待って…じゃあ、二宮は別に男が好きなわけじゃないってこと?」
「ああ…まあね。そっちの快楽には目覚めたけど、別に自ら進んで男に抱かれたいとは思わないね」

そっちの快楽…

心臓が急に激しく動き出した。

「え…待ってよ…待って…あんなことが気持ちいいの?おまえ」
「は?」
「男なのに…男にぶち込まれて、おまえ気持ちいいのかよ!?」
「松本?ちょっと、落ち着けよ」

知らないうちに鳥肌が立っていた。
あの時のことを嫌でも思い出してしまう。

あんな屈辱的な
あんなおぞましい

「…なんかあったの?松本…」
「あっ…あるわけねえだろ!」

鳥肌の次は、身体が震えてきた。


嫌だ
やめて
俺は違う
俺はそんなんじゃない


気持ちよくなんてない


「松本…?」

二宮は手を伸ばして、ただ俺の腕を握っていた。

「やっぱり…なんかあったんじゃねえの…?」
「ない…」

ガタガタ震えながら、こんなことしか言えない。
そんな俺を見ながら、二宮は榛色の瞳を少しだけ揺らした。

「俺を見たのって…二丁目?だよね…」
「ちがう…違う!違う!」

ぎゅっと俺の腕を掴む手に力が入った。


何も喋ることができない俺の傍に、ずっと二宮は居た。
帰り際、二宮は俺に連絡先を教えていった。

「…なんか、言いたくなったら掛けてこいよ。昼間は繋がるから…」

そういって、何も言わず学校を去っていった。

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