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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第12章 BOY【M side】EP.5


俺…一体なにやってんだろ…

俺があんなことになったのは、二宮の後を俺が勝手に尾けて行ったからで。
二宮が悪いわけじゃない。

なのに、俺は二宮に何を聞こうとしてたんだろう。

「座ろっか…」

トイレから出ると、当て所もなく歩いて。
結局授業も始まってしまって、校内はシンとしてた。

「屋上んとこ行こう」

校舎の一番上。
屋上は入ることはできないから、その入口の前は使わない椅子やら机やらの物置になってて。
誰も来ないから、格好のサボりスポットになってた。

階段を登って、入り口の前に着くと二宮は椅子に腰掛けた。

「座れば?」

椅子を一個出してくれた。

「ありがと…」

座って水を飲むと、頭の中がすっと冷静になった。

「ごめん…急に」
「いや、別にいいけど…」

改めて二宮を見ると、なんだか痩せてる気がした。
雰囲気も夏休み前に比べたら、荒んでる感じがして…

「…二宮さ、なんかあったの?」
「え?」
「休学するとか言ってたし…」
「ああ…家庭のじじょーってやつ。つか、あんたが話あるんじゃねえの?」
「いや…」

何も言えなくなって俯いてると、二宮も黙り込んだ。

そういえば、まともに喋るのはこれが初めてかもしれない。

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