第12章 BOY【M side】EP.5
「ちょっと待てよ!」
それまで忘れるようにしてた怒りが一気に爆発した。
「は?なんだよ」
「ちょっと来いよ」
腕を掴んで教室から引きずり出した。
「どこ行くんだよっ…」
「いいからっ…」
華奢な二宮は俺の手を振り払うこともできなくて。
なんで…どうして…お前のせいで俺は…
「う…」
急に吐き気がこみ上げてきて、思わず手で口を覆う。
「え?ちょっと…松本…?どうしたんだよ」
「う…」
口を開けたら、胃の中のものが出てきそうで喋ることができない。
「保健室…」
二宮が逆に俺の腕を取ってあるき出した。
違う…そんな所行きたくない…
「吐きそうなのか?トイレ行ったほうがいいか?」
頷くと二宮はすぐに男子トイレに俺を押し込めた。
「…待ってるから…吐いてしまえよ」
耐えきれなくて、個室に篭った。
胃の中のものが全部出たら、なんとか落ち着いた。
個室から出ると、二宮がペットボトルの水を持って立ってた。
「これ、飲みなよ」
「…ありがと…」
洗面所で顔と手を洗ってから、水を受け取った。
「…なんか話あんだろ?今日暇だから落ち着くまで待つよ」
「ごめん…」