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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第12章 BOY【M side】EP.5


バイトの最終日。俺の誕生日。
店を閉めた後、送別会と誕生会をやってくれると言う。

22時にバイトが終わって。
未成年だから年齢を隠して、居酒屋というところに初めて入った。

初めて本格的に、夜の歌舞伎町ってとこに足を踏み入れた。

昼間、映画を見に来たりカラオケをしにきたことはあったけど、夜もとっぷり暮れたこんな時間に足を踏み入れるのは初めてだった。

バイト先の社員や、クルーリーダーは大人だったから安心してついていった。

初めて居酒屋で酒を飲んだ。

家では親に隠れて飲んだことはあるけど、友達同士でそんなに金ももっていなかったから、こんなにたくさん飲んだのは初めてだった。

なんでも初めてづくしで浮かれた俺は、酔っ払った。

気がついたら、俺は外に一人取り残されていた。
皆で帰っていたはずなのに、はぐれたのか。

そう言えば、終電がどうの言ってた気がする。


ここはどこだ…?

見たことがあるような風景なのに、酔っ払っていてどこかわからない。
フラフラ歩いていると、暗い路地裏に出た。

本格的に、ここがどこかわからない。

前方を誰か歩いてる。

あの人に、聞こう。

近寄っていくと、それは知っている人だった。

「二宮…」

私服だったからわからなかった。

白いシャツに、麻のベスト。
ホワイトデニムをくるぶしまでロールアップしてる二宮は、まるで女の子みたいに見えた。

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