第11章 BOY【S side】EP.4
部屋に入ると、手を繋ぎながらリビングルームに入った。
手を引かれソファに座ると、離れていった。
「ちょっと待っててね」
そう言うと、冷蔵庫から冷たい飲み物を出してくれた。
「レッドブル…」
「アルコールの入ってないの、それか水しかなかった。ごめんね」
やっぱ…未成年だってわかってるよな。
別に、酒なんて客に飲まされてるから、最近は強くなったほうなんだけどな。
好きでも嫌いでもないけど。
酒を飲むと、嫌なことが一瞬で過ぎる気がするから、勧められたら飲んでるのに。
松本さんはビールの缶を持っていて、ブシュッと開けると俺に向かって手を伸ばしてきた。
俺も慌てて缶を開けると、カツンと合わせた。
「乾杯…」
「乾杯…」
ゴクリと飲むと、冷たくて甘いだけの液体が喉を通っていく。
「ふう…」
なんだか緊張してるみたいで。
思わず息を吐き出した。
「リラックスしてね…って、それ、なんか元気になるジュースだよね…」
「え?そうなんですか?」
「うん…まあ、お酒ほどじゃないんだろうけど」
そうなんだ。
こういうの、飲んだことないから知らなかった。
「でも、甘くて…美味しい…」
「そう?俺にも味見させて?」
「あ、はい…」