第10章 もっと♡にゃんこわんこ
「翔…ごめんなさい…」
かずの声がきこえた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
かず、また泣いた。
「かず…何謝ってるんだよ…」
「だって…ごめんなさい…お仕事辞めるなんて…」
あいばせんせいとまつもとさんが、かずのことなでなでしてる。
「いいんだ。俺、もっとおまえたちと一緒に居られる仕事に転職しようとは、前から思ってたし…」
そういって、翔はぼくのあたまにちゅってした。
「にゃ?」
「ふふ…だから、おまえたちのせいなんかじゃなく、俺が決めたことなんだよ?」
「にゃにゃ…?」
ぼくのあたまをぽんぽんてすると、翔は立ち上がった。
「だからね…かず。俺が悲しい顔してたのは、仕事できないからじゃないからね?」
「翔…」
「おいで、かず」
翔はかずに向かって腕を広げた。
「しょおっ…」
かずはあいばせんせいのだっこから、びょおおおんってジャンプして翔に抱きついた。
「うおっ…と…」
「しょおっ…ごめんなさいっ…しょおっ…」
「もお…謝んなってば…」
翔は立ったまま、かずを受け止めた。
ジャンプ台にされたあいばせんせいは、足が痛いって泣いてる。
それを苦笑いしながら、まつもとさんがなでなでしてる。