第10章 もっと♡にゃんこわんこ
「僕…僕の言ってること、めちゃくちゃだってわかってる…」
「ああ…」
あいばせんせいとまつもとさんは目を合わせて、くすっと笑った。
「翔が…お仕事楽しいって思って行ってるのも、よくわかってるの…だから、転勤もしょうがないって…そう…思うんだけど…」
途中から、かずのこえは震えて。
泣きそうになってる。
「でも僕…僕たち…翔の邪魔になってるって思う…」
「そんなこと言ってないだろ!?」
「だって…翔、あんなに悲しい顔してた。本当は転勤行きたいんでしょ…?」
「…そりゃ、俺がずっとやってきた仕事だから…だから正直いえば未練があるよ?でもさ、俺はここでおまえたちと生きていきたいんだよ…恋人だよ…?捨てるわけないだろ?」
「翔…」
ぎゅうっと翔はぼくのこと、抱きしめてくれた。
「仕事なら、代わりはあるんだ。だけど、おまえたちの代わりはいないんだよ?どこにも…」
「翔…」
ぎゅうってしてくれる腕は、あったかくて。
熱い。
「世界中、どこ探したって、こんなに愛おしいと思えるおまえたちの代わりなんて…いないんだからな…?」
「翔…くるしい…」
「あ…ごめん。さとし…」
ちょっと腕をゆるめてくれた翔を見上げた。
ぺろっとあごをなめると、くすぐったそうに笑ってくれた。