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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第10章 もっと♡にゃんこわんこ


むずかしいおはなしだから、ぼくにはなんのことだかわからない。
でも、翔がぼくたちをおいていかないってことはわかった。

だけど…かずはまた怒ったかおしてる。

「なんで…?」
「かず…?どうしたの?」

あいばせんせいも、かずの怒ったかおに気づいた。

「翔はお仕事いっつも楽しそうに行ってた!なのになんでそんなこというの!?」
「かず…ちょっと落ち着けよ…」

まつもとさんが立ち上がって、翔のかたに手をおいた。

「翔くん、ソファ座りなよ」
「え…」
「いいから。顔色悪いから」
「うん…」

まつもとさんの座ってたとこに、翔が座った。
ぼくは翔のおなかにだきついた。

「さとし…」
「しょう、ごめんね?ぼく、なんのおはなしだかわからない…」
「ああ…すまん…」

翔、かなしい。
かなしいかおしてる。

なんにもうれしいことない。

だからぼくもかなしい。

「かず…思ってること、言ってみな?」

まつもとさんが、かずの背中をなでながらはなしかけてる。

「今、言っておきなよ。全部、思ってること…」
「…でも…」

かずの耳がぺたんってした。
しっぽもくたって、床に向いてさがっちゃった。

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