第2章 今日の猫来井さん③
えっと…俺、猫本。
今日はさ、和からの依頼でまたたびを配達に来たんだけどさ…
ほんと、ラッキーなことに猫来井さんが仕事の日でさ。
まあ和も狙ってたんだろうけどさ。
本当は配達人の仕事では、依頼主とのまたたびは禁止されてるんだけどさ。
今日はもう休みってことにしてあるから、自由に楽しんじゃうもんね。
「さ、いいこだね。和…猫来井さんと一緒にこねこねしてあげる」
「ふにゃ…嬉しい…猫潤…」
和はふにゃふにゃしながら、脱力してる猫来井さんのとなりにコロンと寝転がった。
猫来井さんはゴロンと身体を返すと、先程俺がふりかけた粉の上に鼻をこすりつけるように転がった。
「ああ~たまりません…これはたまりません…」
もう…普段ストイックな人ほど、こうなると面白い。
「じゃ。追加ね?」
和の粉だし、いいや。
サービスでもうひとつまみ、ふんわりとふりかけた。
「ふにゃぁ…」
和も一緒になってシーツの上でごろごろと喉を鳴らしながら、身体をこすりつけてる。
そのうち二人の体は、絡み合って…
和が恍惚とした顔を上げて、俺の方を見た。
「ねこじゅん…舐めてもいい?」
「いいよ?」
そう言ってやると、和は嬉しそうに舌なめずりした。