第10章 もっと♡にゃんこわんこ
でも、かずは犬だよ?
もうぼくたちが来てること、わかってるんじゃないかなあ…?
「かず…」
そっと、階段をのぼりながらよびかけてみた。
遠くから、きゅぅんって聞こえた。
「かずっ!ぼくだよっ!さとしだよっ…」
また遠くから、きゅぅぅんって聞こえた。
「さとし…かず、なんか言ってる?」
「よんでる」
「えっ…聞こえるの?」
「きこえた」
「すげえ…やっぱ耳いいんだな…」
長い階段を登りきって、まっくらなけいだいをあいばせんせいとまつもとさんは照らした。
「ちがう、こっち!」
「おわっ…」
「さとし、待って!」
ふたりをひきずるように、かみさまの家の横に回った。
家の横から裏に回る途中に、ちいさな道がある。
そこを少し降りると、ちいさなかみさまの家がある。
道が狭かったから、あいばせんせいとまつもとさんの手を離してはしった。
「かずっ…むかえにきたよ!」
そこは周りをでっかい木に囲まれてて。
前に翔につれてきてもらったとき、ぼくとかずはここがお気に入りになったんだ。
「かず?かず?どこにいるの?」
きゅぅぅんって、また聞こえた。
かずはかみさまの家の横で、泣いてた。