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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第10章 もっと♡にゃんこわんこ


風もないし雨もふってないから、かずの匂いはまだ残ってる。
くんくんしながら、道路を進んでいく。

「…結構来たな…」

まつもとさんは、ぼくを通り越して遠くを照らしてる。

「かず、どうしたんだろ…」

あいばせんせいは、道のはじっこを照らしながら歩いてる。

「さあ…でも、なんかわかる気はする」

ぼくはくんくんするのに忙しいから、ふたりが喋ってるのを聞いてた。

「置いていかれるって…思ったんじゃないかな…」
「ああ…そういうこと…」

ふうっとあいばせんせいはため息をついた。

「そんなわけないのに…翔ちゃんがかずやさとしを捨てるわけないのに…」
「え?ぼくたち、捨てられるの?」
「ああ…だから違うって、さとし。翔ちゃんがそんなことするわけないでしょ?」
「でも…かずはそう思っちゃったってこと?」
「そう、だろうねぇ…」

ぽんぽんとまつもとさんがぼくの頭をなでてくれた。

「まつもとしゃん…かず、泣いてる…」
「…おう…だろうなあ…」

まつもとさんまで泣きそうなかおになった。

「かずかなしい…かなしいかおしてた…」
「うん…早く、見つけてやろ?さとし」
「うんっ…」

ぱたぱた、はしりだした。

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