第10章 もっと♡にゃんこわんこ
翔は泣きそうなかおのまま、ぼくに向かって腕を広げた。
「さとしっ…」
どうして…?
かずをすぐに探しに行かないといけないのに。
どうして…?
ぼくわからない
「びにゃぁぁぁぁぁ!」
叫ぶと、翔のうでに飛び込んだ。
「さとし…」
「しょおのばか!」
ぎゅっと翔に抱きついた。
「ぼく難しいはなしわからない!」
「ごめんな…ごめん…」
ぎゅうううって翔はぼくを抱きしめた。
「でもかずは怒った!なんか翔はいけないこといった!だからぼくも怒った!」
「ごめん…ごめんさとし…」
からだを起こして、翔のうでにがぶってした。
「んぎゃっ…」
「かずさがしにいく!」
「…ああ…頼んだ…さとし…」
あいばせんせいとまつもとさんは、翔からかいちゅうでんとうとか、明かりを借りて。
それから家を出た。
人間って暗いところが見えないからふべん。
「さとし、さあ…かずの匂いわかる?」
あいばせんせいが優しくぼくの頭をなでた。
まつもとさんは、キョロキョロとあたりをかいちゅうでんとうで照らしてる。
「…こっち!」
「よし!いくぞ!潤!」
「わかった!」
かず…
かず…泣かないで…
ひとりで泣いちゃいやだよ