第10章 もっと♡にゃんこわんこ
玄関のバタンって音がして、やっとぼくの体は動いた。
「だめっ…こんな暗いのに!かずっ…」
ぼくも慌ててあとを追いかけた。
「さとしっ…待てって!」
まつもとさんがぼくを抱きとめた。
「だって!かず、くるまにぶつかっちゃう!だめ!だめ!!」
「おまえ、落ち着け。今飛び出していったら、さとしが車にぶつかるだろ?」
「だめっ…かず遠くにいく!だめっ…」
「わかったから待てって!俺たちも行くから、ちょっと待って…」
飛び出そうとするぼくを、まつもとさんは離してくれない。
「俺たち夜目も鼻もさとしより利かないから…一緒に探しにいくから、ちょっとまって、ね?さとし…」
あいばせんせいもぼくをなでてくれるけど、すぐいかないと!かず足が早いんだから!
「翔ちゃんは家で待ってて。かず戻ってくるかもしれないから」
「でも…」
「いいから!そんな真っ青な顔で外出たら、翔ちゃんが車に轢かれるよ」
翔もかおがまっしろだった。
それに泣きそうなかおしてる。
「しょお…?どおしたの…?」
「さとし…」
「どうしてかずは怒ったの?どおして翔はそんなに悲しいかおしてるの…?」
「さとし…」