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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第10章 もっと♡にゃんこわんこ


「入社した頃に…俺がひとりで始めたことが…今になって実を結んでさ。だから大抜擢なんだ。プロジェクトの責任者になって赴任することになる」

はあっと息を吐き出すと、俯いてしまった。

「…とてもじゃないけど、海外でかずやさとしと一緒に暮らすことはできない…日本なら治安がいいから、昼間ふたりで留守番させられるけど海外じゃそうはいかない…」
「そう…だよな…」
「うん…」

ぼくのてってを握ってるかずの手がぎゅってした。

「かず…?」

かずはじっと翔を見つめたまま動かない。

「かず…どうしたの?」

かおがまっしろになってる。

「かず?かず?どうしたの?ねえ…」

あいばせんせいの抱っこから起き上がって、かずの肩をゆすった。

「かずっ?ねえ、おへんじして?」
「おい…かず…?」

あいばせんせいも、かずの様子がおかしいのに気づいた。

「どうしたんだ?かず?」

ぼくの後ろからあいばせんせいがかずに向かって手を伸ばした。

「いやだぁっ…」

その瞬間、すごいいきおいでかずが立ち上がった。

「いやだっ…いやだっ…そんなのいやだっ…」

かずは叫ぶと部屋を飛び出していった。

「えっ…!?かず!?」

なにが起こったのかわからなかった。

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