第10章 もっと♡にゃんこわんこ
ふふふ…とあいばせんせいの笑う声が聞こえる。
ぽんぽんとぼくの背中を叩いてくれる。
「ほら…さとしが心配でおちおち寝てらんないってさ?翔ちゃん」
「さとしぃ…」
「かずぅ…」
なんとか目を開けたら、かずがあいばせんせいの隣に座ったところだった。
「さとし、おっきしたの?」
「だってぇ…かずの声が聞こえたから…」
「ああ…ごめんね…?」
そっとかずはぼくのてってをにぎると、ふぅとため息を吐き出した。
「翔がね、みんなにお話してくれないの」
「いじわる?」
「そう、いじわる」
「お、おい…かず…」
翔のため息も聞こえてきた。
「あー…もう…だめだなぁ…俺って…」
「翔くん…」
ソファの前に置いてあるテーブルの向こうで、翔が床に座ってる。
テーブルにひじをつくと、両手で頭をかかえこんでしまった。
「翔…うんこつまってる?」
「もー、さとしはちょっと黙ってて」
「でも、どうして?どうして翔はあんなに悲しいかおするの?うんこつまってるからじゃないの?おなか痛いからじゃないの?」
「ちがうよ。さとし…翔は、悩みがあるの」
「なやみ?」
「お腹がいたいだけじゃないんだよ?元気がなくなるのは…」