第10章 もっと♡にゃんこわんこ
ぞろぞろとみんなでリビングに戻ると、ぼくとかずと翔は晩ごはんを急いでたべた。
「慌てて食べなくていいからね?」
「消化不良起こしたら、またげーしちゃうからゆっくり食べるんだよ?」
まつもとさんと、あいばせんせいはリビングのソファで座って待っててくれるって。
「「はーい」」
ぼくとかずは元気よく返事したけど、カウンターの端っこでご飯を食べてる翔は、無言でもごもごとご飯を食べてる。
「しょふ?」
「どうふぃたの?」
もぐもぐと食べながら、かずとふたりで話しかけるけど、翔はちからなく笑ってなんにもこたえない。
やっぱりげんきない。
なんかあったんだ。
「かべ丼食べたらげんきになる?」
「さとし…あれは食べ物じゃないから」
「そうなの?」
おいしそうなのに…
「なあんでもねーから。ほら、早く食え」
そう言って翔は、まだ残ってるのに食器を持ってキッチンに戻っていってしまった。
「…やっぱり、おかしいよね…?」
「どうしたんだろうね?翔…」
もぐもぐとごはんをたべたけど…
いつもはすごくおいしいのに。
あんまりおいしい味がしなかった。
「さとし?ちゃんと食べるんだよ?」
かずにそう言われても、ぼくは半分くらいしか食べられなかった。