第10章 もっと♡にゃんこわんこ
「な、なんだ…?」
翔がびくっとして玄関のドアを見た。
「はいはーい」
かずが喜んで玄関のたたきに降りると、ドアを開けた。
「どもー。こんばんは。かず」
「こんばんは。松本さん」
「え?潤まで?」
翔があわてて玄関ドアまではしってった。
「よ!翔くん!元気?」
「え?なんだよおまえまで…元気だよ?どうしたんだよ」
「いいじゃん、お隣なんだし…顔見たくなったんだよ」
「は……なんなの。おまえまで…気色悪い」
「酷い。すごく酷い。翔くん…」
かずを後ろから抱っこすると、じとーっとまつもとさんは翔をにらんだ。
「かず…あんな飼い主より、俺んとこで暮らさない?」
「えー?」
「俺のほうが、かずのご飯上手に作れるけど?」
「んー?」
「それに翔と違って…」
まつもとさんは、かずの左耳にくしゅっと鼻をうずめた。
「俺のほうが長いぜ?」
「えー?」
かずがくすぐったそうに、耳をぷるってした。
「こ、こら、潤…」
なにが長いんだろう…?
「まあいいから、せっかく来たんだから上がれよ?」
「ああ。じゃあ、上がらせてもらうね」
「おっじゃましまーす」
あいばせんせいと、まつもとさんはおうちに上がってきた。