第10章 もっと♡にゃんこわんこ
「うーん…熱はないし、肺の音もキレイだし…具合が悪いわけじゃないんだね?翔ちゃん」
「は…?具合なんか悪くねーし…っていうか、雅紀どうしたんだよ…今日来るって言ってなかったのに」
「ん?」
ちらっと、あいばせんせいはこっちを見た。
かずが、きゅうんって小さく鳴いてかわいい顔したら、あいばせんせいはわかったみたい。
「なんとなく…翔ちゃんが元気ない気がして。心配になって来たの」
「は……なにそれ、気色悪い…」
「気色悪いって言うな」
べーって思い切り翔に舌を見せると、あいばせんせいはぼくとかずのほうに来て、頭をなでなでしてくれた。
「よ。こっちのふたりは元気かい?」
「さとしが草食べないんだよ?相葉せんせ」
「あっ!かずひどい!言いつけないでっ」
「こらーまた…草食べないと、便秘するってあれほど言ってるだろ?」
「だあってぇ…」
「今日はどんな草あげたの?」
くるりとあいばせんせいは後ろを向いた。
翔は苦々しい顔をしながら、こっちに歩いてきた。
「え?レタス」
やっと立ち直った翔は、あいばせんせいの横に来てぼくの顔を一緒に覗き込んでる。
「そっかあ…甘いのにね?レタス」
「あじないもん」
みんな、がくーってしてたら、また玄関のぴんぽんが鳴った。