第10章 もっと♡にゃんこわんこ
ふたりでむりやりぼくのお口に草をねじ込んでいるとき、翔のおうちのぴんぽんが鳴った。
「え?誰だ?こんな時間に…」
「うぇぇぇん…かじゅひどい…」
「ごめんね?だって、また相葉先生におしりにお注射されるよ?」
「あのお注射だったらいい…」
「おばか…」
そんなこと言ってたら、玄関から賑やかな声が聞こえてきた。
ピーンとかずの耳が立った。
「相葉せんせだ!」
「ふにゃっ」
ばたばたとふたりで駆け出していったら…
「…なにやってんの…?」
あいばせんせいは、翔を壁に押さえつけてる。
「壁ドン…?」
かずが首を傾げてる。
かべ丼ってなんだろ。
おいしいのかな?
「ちょおっ…なんなんだよ!?雅紀っ」
「いやあ…熱はないね?脈、見るからね?」
かべ丼のまま、あいばせんせいは翔の手首を握った。
「な、なに…?え?」
「ちょっと黙って」
そのまま壁に張り付いている翔の胸に、あいばせんせいは耳を当てた。
「おいっ…雅紀!」
「黙って!翔ちゃん!」
「う…」
シーンとした玄関で…
なぜか壁に貼り付けられてる翔に、なぜか張り付いているあいばせんせい…
「むふふふふふ…」
かずはしっぽをパタパタ振って。
なぜか嬉しそう。