第10章 もっと♡にゃんこわんこ
お庭伝いにまた戻った。
そっとカーテンを開けて寝室の窓から入ると、まだ翔はキッチンでご飯を作ってた。
「よかった。バレてないね?」
「うん。ひみつね?ひみつ」
「そう。翔をびっくりさせようね?さとし」
そう言ってかずは、にやっと笑った。
いたずらを思いついたときみたいな顔する。
ほんとわるいことすきだなあ。かずは…
「おーい。飯できたぞー」
ちょうどその時、翔の声が聞こえた。
「「はーい」」
ぼくたちはよいお返事をして、カウンターの自分の席に座った。
「はい、これさとし」
「にゃあんっ♡」
「はい、これかず」
「わふんっ♡」
ぼくのごはんと、かずのごはんは微妙に違う。
お野菜とお肉かお魚をコトコト煮たのは変わらないんだけど、ぼくのご飯にはいつも草がついてくる。
「なんでかずのご飯には草がないの?」
「草って…いや、かずは犬だから…」
「さとしは猫だからね?」
「…んにゃ…?」
どーゆうことなんだろう…
「草きらい…」
「もお!だから便秘しちゃうんでしょ?食べなきゃだめだよ!」
「いーーやぁぁ…」
「コラ。俺が作ったのに…」
「翔が草をつくったの?」
「いや、違うけど…」
「だったらいやぁぁぁ」
「こら!さとし!」