第2章 今日の猫来井さん③
「やっぱ、またたびするときは…裸が一番だよね…」
そう言って、わたくしをパンツ一丁にしてしまいました。
「これは、恥ずかしいだろうから、あとで、ね?」
意味深にそう言うと、猫本さんもトレーナーを脱ぎだしました。
「いけましぇん…私はまだ仕事が…」
「大丈夫だって…ひとつまみだけ、ね?」
そう言うと、ジーパンを脱ぎ去って我々の横にぼすんと飛び乗って来ました。
「猫潤はやくぅ…」
羽織っていただけのパジャマの上着を脱ぎ捨てると、猫宮さんは一糸まとわぬ姿になって…
アビシニアンの茶色く細いしっぽが私の顔をさわさわとなでていきます。
「一緒に…気持ちよくなろうね…?しょーちゃん…?」
猫宮さんに”しょーちゃん”などと呼ばれたことはありません。
これは…相当酔っ払っていらっしゃいます…!
「いけません…それならばおふたりだけで…ね?」
またたびの匂いが濃すぎて、ますます力が入らないながらもなんとか起き上がろうとします。
しかし、それは無駄な抵抗でございました。
「これはね…猫来井さん…兵庫県のある場所で栽培されたまたたびだよ…すんごい希少なんだよ…」
ううう…そんな高級なまたたび、嗅いだことございません!