第2章 今日の猫来井さん③
こんな…こんなことって…
「ほら…和もああ言ってることだしさ…」
ぐいっと猫本さんの腕が私の身体を引き寄せます。
「一緒に…楽しもうよ…?ね…猫来井さん…」
私の耳元で囁くような低音が響きます。
生来小さな耳ではありますが、思わずピクピクと動いてしまいます。
「ふ…くすぐってぇ…スコの耳って小さくてかわいいな…」
ふんわりと、猫本さんが私の身体を抱きしめると、背中をするりと撫でます。
同時に、猫本さんの身体から高級なまたたびのいい香りが…
「ふにゃ…あ…」
「猫来井さん…またたびに弱いんだね…」
「だ、めでございますぅ…」
「ふふ…かわいい…」
ふんわりと私を抱き上げると、猫本さんは寝室のクイーンサイズのベッドに私の身体を横たえました。
前から猫宮さんには大きすぎるベッドだと思っておりましたが…
まさかこのようなことのために…?
起き上がろうとすると、一層濃くまたたびの匂いがします。
ここでさっき…またたびにまみれていたんだ…
「ほら、和も来いよ。猫来井さん、一緒にまたたびしてくれるってよ」
「うん…いくぅ…」
ペタペタと裸足で歩く音がしたかと思うと、私の体の上にどさりと猫宮さんが倒れてきました。
「もお…俺、だめぇ…」
「へろへろじゃねえか…ほんと和もまたたびに弱いんだな」
本当に猫本さんは、こんなに香りが強いのに平気そうで…
「やめてぇ…」
そうお願いしているのに、私の服をどんどん脱がせてしまいます。